◎ 書店学研究ノート
青田恵一のお勧めの一冊
アメリカの書店事情最前線 『ニューヨークの書店ガイド』 大久保徹也 編・前田直子 著
出版メディアパル・オンライン書店
『書店が生き残る知恵と工夫が満載されたレポート
この秋、『たたかう書店』を刊行し、書店論の三部作を完結した。 たたかいはニューヨークにもある。 近刊の大久保徹也編・前田直子著「ニューヨークの書店ガイド」(出版メディアパル)は、大型店旋風を乗り切った独立系書店の〝いま〟を伝えている。この本から生き残りのヒントを拾い出してみよう。 商品面では、絶版本やバーゲンブックの専門化、古書併売、ミステリー希少本棚(引越しセールで入手)、サイン本コーナー(返品条件付)、ポストカード棚など。 |
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販促からみでは、ニューズレター、読書コンサルタント、リーディングイベント、カタログ販売、路上カクテル・パーティ。サービスの点では、何年かけても探し出す絶版本の探査、作家の出版パーティ開催。 マネジメントを見ると、本好き書店人の育成、出版社との兼業、独特の万引き対策(レジ近くの万引き犯お気に入り本棚、入り口での荷物預かり)などの施策。 残るには残るだけのことがあったのだ。紀伊國屋書店のニューヨーク店も登場する。日本からのコミック・アニメ進出を反映してか、ファンがこの店に集うという現象もおもしろい。 この秋、必読の一冊。 (2005年『出版ニュース』10月中旬号)
(『棚は生きている』より 出版ニュース 2005年7月中旬合併号掲載)
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