『出版ウォッチング-コラムで眺めた出版最前線-』 下村 昭夫 著

■ 本の未来を考える出版メディアパルNo.5

『出版ウォッチング-コラムで眺めた出版最前線-』

下 村 昭 夫 著

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本書は、2003年4月から04年9月まで、『毎日新聞』メディア欄に連載されたコラム「出版ウォッチング」を掲載順に収録したコラム集である。
 コラムを左ページに収録し、右ページには、資料や情報を収録し、03年から04年のおける出版の現状と課題が解明できるようにした。日本で活躍する出版社は、4300社余り、年間に1点以上新刊書を発行した出版社は3700社余り、年間に5点以上の新刊書を発行した出版社は1500社余りとなる。
出版科学研究所の報告によると、2003年の書籍と雑誌を合計した出版物の推定販売金額は、対前年比で3.6%減、2兆2278億円となり、1997年以来、7年連続のマイナス成長となった。
 書籍だけの推定販売金額では、対前年比4.6%減9056億円、推定販売冊数では、7億1585万冊で、対前年比では、3.1%減となった。昨年、一年間に発行された新刊書は、72608点、実働日を280日とすると、一日あたり、260点もの新刊書が、発行されていることになる。
 「本が多すぎる」---そんな悲鳴が町の本屋さんから聞こえてくるが、一向に新刊書は減りそうにない。 04年の上期の出版概況は、『バカの壁』や『世界の中心で愛を叫ぶ』など、メガヒットの連続で久しぶりに対前年同期比でプラスに転じた。9月1日には、ハリ・ポタ第5巻『ハリー・ポッタと不死鳥の騎士団』が発売され、いっそうの弾みがつき、明るい兆しが見えてきた。
 今、出版は、さまざまな電子メディアの登場により、「グーテンベルク以来の大変化」を受けている。将来、紙の本は無くなり、電子本に置き換えられると、本の未来を予測する記事にもしばしばお目にかかる。
 本書は、そんな出版最前線を32のコラムで眺めたブックレットである。

 ◎本書の主な目次

1.出版ウォッチング03  電子本と紙の本/ネット書店/貸与権/デジタル万引き/新古書店/電子書籍/わいせつ罪/メディアミックス/オンデマンド出版2.出版ウォッチング04   企画提案型メルマガ/町の書店/広告と雑誌/書店のマニフェスト/表現の自由とプライバシー/動き出す貸与権ビジネス/21世紀型出版流通3.出版の近未来  デジタルコンテンツの現状と課題

A5判・80頁・定価1050円(11月上旬配本予定)