『編集者のためのInDesign入門〈改訂増補版〉』 高田 信夫 著

● 出版メディアパルNo.19

『編集者のためのInDesign入門〈改訂増補版〉』
=Windows時代の本格的DTP時代がやってきた=

高田 信夫 著

出版メディアパル・オンライン書店

私は高陵社書店という小さな出版社を経営しています。
 最初に手がけたDTPソフトは、Aldus PageMakerでした。その後、Quark Xpressに代わり、現在は、InDesignを愛用しています。
 私としては、このInDesignになって、ようやく本格的な日本語組版に近いものが手軽にできるようになったという印象をもっています。
 編集者がDTPに手を出すことについては、賛否両論があると思います。
 私も編集者であると同時に、編集プロダクションの仕事もしながら、DTP編集に15年以上も携わってきましたが、編集者の本来の仕事とDTP組版の両立はなかなかむずかしい問題を含んでいるといえます。
 ところが、最近のように急速にDTPが普及してくると、編集者がDTPに無関心ではいられなくなりました。
 編集者自身がDTPソフトを使って作業をするところまではいかなくても、DTP作業というのはどういうものか、さらには、現在の印刷技術はどこまで進んでいるのかを知らないと、印刷物の製作上、支障をきたしかねない事態になってきています。一方、WindowsでもDTP作業ができるようになって、一般の企業でも印刷物のレイアウトを内製化する動きが出てきました。
 この本では、初めてDTP作業に取り組む「編集者のためのInDesign入門」をやさしく解説しています。だれでも画面の手順を追っていけば、簡単に作業ができるようにしてあります。さらに、適宜にコラム欄を設け、そこでDTPや編集に関わるテクニックを解説しています。
 この本では、InDesign CS2のWindows版を使って説明していますが、Macintosh版でも基本的操作は同じですので、Macintoshユーザーの方にもお読みいただけます。
 なお、InDesign CS2以降この5年間に、CS3、CS4さらにはCS5まで、毎年のようにバージョンアップされたソフトが発売されていますが、その基本操作は、ほとんど変わりません。基本的操作を覚えておけば、バージョンアップされてもその操作に困ることはほとんどありません。

<主な目次> 判型:A5判・160頁 定価:1575円 

 1. InDesignを使った印刷までの作業手順
 2.レイアウト作業の準備
 3.レイアウト作業の実際
 4.印刷用データの作成

<編集室だより>                   
 編集の仕事が急速にDTP化した18年ほど前に「編集者のためのDTP入門」というセミナーの講師を依頼したのが、高陵社書店の高田信夫さんとの出会いである。
 大修館で教科書の編集に従事してきた高田さんは、お父上が経営されてきた教科書関連の出版社を引き継ぐことになり、編集者の仕事とともに編集プロダクションの仕事も始められた。その高田さんが大変身したきっかけがDTP編集である。いつのまにか出版業界のDTP編集のお助けマンになっていた。DTP編集に「もっとも必要な技術は本づくりの基本知識である」と高田さんはいう。そんな彼の本づくりのノウハウをInDesignの活用術とともに学んでいただきたい。
 なお、本書は2005年12月に発行された『編集者のためのInDesign入門』をその後のソフトのバージョンアップにあわせてせて必要な知識を増補した〈改訂増補版〉である。
                                            出版メディアパル編集長 下村昭夫