●出版メディアパル10周年記念

   6冊の本の誕生を祝う会

 出版学の実務書を刊行してきました“一人出版社 出版メディアパル”が10周年を迎えました。
 2013年度は、3月に湯浅俊彦さんの『電子出版学入門(改訂3版)』、4月に中川裕美さんの『少女雑誌に見る「少女」像の変遷』、6月に自書の『本づくりこれだけは 〈改訂4版〉』、7月に本の学校編の『本との出会いを創り、育てるために』、10月に能勢仁・八木壮一さんの『昭和の出版が歩んだ道』と実践的でユニークな本が誕生しました。また、2012年10月には、岩野裕一さんの『文庫はなぜ読まれるのか』を発行し、貴重な文献と好評でした。
そこで、友人・知人の皆さんと「出版メディアパル10周年と6冊の本の誕生を祝う感謝の会」を催したいと思います。

二つの記念講演と6冊の本の誕生を祝う会 

出版メディアパル10周年記念「6冊の本の誕生を祝う感謝の会」が3月8日出版クラブ会館で開かれ、出版関係者48名が集った。

 感謝の会は、第一部として、ノセ事務所の能勢仁氏の「円本時代と『昭和の出版が歩んだ道」と、八木書店会長八木壮一氏の「バーゲンブック流通略史」の講演があった。

 能勢氏は、円本とともに生まれた全集や講座の全資料を表にまとめ配布し、当時の新聞広告を約50枚ほど図書館でコピーしてきて、その1枚1枚を見せながら、「円本」が出版社や書店に与えた昭和出版史の貴重な一段面を紹介した。

 八木氏は、「大正15年(1926年)ごろ、一冊一円の円本が流行し、円本合戦になったが、昭和5年ごろになると、その返本の山が築かれ、版元の倉庫にあふれた返本は数店の卸店が買い受けて、バーゲンブックの市場が出来上がった」と、その歴史に触れ、さらには現在の再販制度化におけるバーゲンブックの問題点なども紹介した。

 続いて、第二部の「6冊の本の誕生を祝う感謝の会」では、冒頭の祝辞に立った日本出版学会会長の川井良介氏は、「6冊の本のうち、5冊は5人の会員の著書であり、もう1冊の記録集も多くの会員がサポートした本である」と本の誕生を祝った。

 感謝の会は、和やかに進み、15名の著者・デザイナーなどなどから祝辞が述べられ、その一人一人の方々との出会いやエピソードが紹介された。

 最後に、出版メディアパルの下村昭夫氏は、「もう少し本の旅を楽しみたい」謝辞を述べた。