本作りこれだけはQ&A 出版技術講座


2.1  電子編集の心得

Q:電子入稿が盛んですが,どんな点に注意すれば良いでしょうか?
A:電子入稿に関する基本的な留意点は,次のような項目です。
 MS-DOSのテキストデータが基本(機種とデータ形式の確認)。
 バックアプデータでの入稿(著者側でもバックアップを取っていただくこと)。
 レイアウトなどの指定は、プリントアウトした原稿に指定すること。
 訂正や追加などの処理の方法を印刷所と打ち合わせること。
 データ作成時の注意点(以下の組版指示はCTS上で行うこと。)
 1.段落改行以外では、改行キーは使わないこと。
 2.「インデント(字下げ)や段組」「罫線や表組み」は使わないこと。
 3.修飾文字(文字飾り、拡大文字、上付き、下付き、ルビ)は使わないこと。
 4.「半角入力と全角入力」「マイナスとハイフン」などの区別をすること。
 5.ユーザ外字を使わないこと。
Q:最近、著者からの電子原稿がメールで送られてくることが多くなっています。ところが、そのファイルが開かなくて、困っています。どんな原因が考えられますか?
A:送られてきた電子原稿のファイル形式をまず確認してみてください。そのファイルが、先の「hon」ように「MS-DOS」テキストデータ(拡張子.txt)の形式になっていれば、OKです。
 拡張子が「.doc」となっていると、「Word」のファイルです。この場合,「Word95」「Word97」「Word2000」とアプリケーションのバージョンによって、上位バージョンのファイルが読めないことがあります。
 また、Word特有のファイル形式や修飾文字、二段組、ルビなどの指定は,印刷所の組版用のコンピュータでは、読み取ることは出来ません。
 ワープロソフトが「一太郎」の場合も同様で、「一太郎6.3」から「一太郎10」までのさまざまなファイルが送られてきます。 例えば「.jtd」となっていると、「一太郎8」などのファイル形式です。
 したがって、メールでの「電子データ」の送稿は、シンプルな形のテキスト形式が望ましいといえます。
 また、このことは、メール送信時にサーバーに負担を掛けない配慮からも大切なことといえます。
 1回での送信は、「20KB」程度とし、大容量の送信には,「圧縮ファイル」(「lzh」形式や「zip」形式)を利用すると良いでしょう。そのため、圧縮ソフトも必需品といえます。
Q:メールで送られてきた原稿がウィルスで汚染されてしまいました。どんな対策をすればよいのですか?
A:ウィルスの汚染は,以前は、フロッピーによる場合がほとんどでしたが、インターネットの普及とメールでの原稿の送受が一般的になってきてからは、メールでのウィルスの汚染が増加しています。
 とりわけ、「Word」や「Excel」のマクロプログラムについてくるマクロウィルスが急増しています。
 怪しげなメールを開かないことと、大切なシステムとデータを守るために必ず「ウィルスバスタ」などのワクチンソフトをインストールしてシステムを守るようにしましょう。


©2000年 Shimomura