渦(出版界の内と外)


4.1  ホームページと著作権

花 子とても素敵なホームページを見つけたんだけど、このホームページを私のホームページに引用してもいいのかしら?
太 郎どれどれ見せてごらん。これは、著作権法でいう「引用」の概念を超えて複製(使用・流用)と言えるね。
 著作権法では、「思想又は感情を創作的に表現」したもので、「文芸、学術、美術、又は音楽」に属するものを「著作物」として保護している事は知っているね。
花 子著作権法の第2条第一項の規定でしょう。
太 郎ホームページも一種の表現物として保護されるわけだから、そっくりそのまま利用することは、著作権侵害に当たるね。引用のルールを守る事だね。
花 子引用のルールって、どんなことなの。
太 郎大前提になるのが、「他人の著作物を勝手に使ってはいけない。」ということだよ。その上で、著作権法では、引用は、「公正な慣行に合致する」もので、「報道、批評、研究、その他」引用の目的上「正当な範囲」でなければならないとしている。
花 子あら、出典を明記するだけでは、いけなかったのね。
太 郎まずは、「主と従」の関係で自分の文章が主で、引用する文章が従である事。また、引用箇所を明瞭に区別する事が大切で、引用箇所ごとに出典を明記する事の三つの原則を守る事だね。
花 子ホームページのフレームなどは真似てもいいのかしら?
太 郎フレームの大きさや構成、色などの手法を真似ることは、著作権の侵害にはならないから、いいホームページをたくさん見て勉強する事だね。
花 子HTMLのタグを使う事は、いいのかしら?
太 郎HTML自体は、ホームページを作成するための手段だから、著作権の保護は及ばないから、誰の許可もいらないで自由に使ってもいいのだよ。
花 子音楽の引用も同じかしら?
太 郎「30秒以内なら自由に使える」と属に言われているが、法的な根拠は何もないんだよ。どうやら、レコード会社などが決めたと言われている「事実上の黙認基準」が一人歩きしているようだね。
花 子インターネットを楽しむためにも著作権法の基礎をしっかり学ぶ事が大切ね。


©1998年 Shimomura