マルチメディアと出版の近未来


3.1  コンピュータと電子編集

*マルチメディアと電子編集の関係
 一つのネットワークまたはシステム上で文字や音声、映像などの異なるメディアを統一して扱うためには、それぞれの情報がコンピュータにより、ディジタル化される必要があった。
 文字情報のディジタル化の課程を電子編集(エレクトロニクス・パブリッシング)と呼びぶが、アメリカでは、一般にCAP(Computer aided publising)と呼ばれている。
 ワープロやパソコンを利用したDTP(デスク・トップ・パブリッシング)が流行している。
 文字情報のディジタル化の課程は、60年代の大型のコンピュータを使ったCTS化が先行して起こった。鉛の活字を使ったホット・タイプ・システムに対して、その電算写植化をCTS(コールド・タイプ・システム)と呼ばれた。
 今日では、文字情報がコンピュータによりディジタル化されたという意味から広がって、コンピュータの持つ文字情報の検索・抽出・配列・統合などの機能を使ってデータベース化され、CD-ROMのようなパッケージ型の電子メディアやインターネットやパソコン通信のようなオンライン型の電子メディアとも統一されているので、コンピュータ・トータル・インフォメーション・システムの略称としても使われている。
 その大型コンピュータがダウンサイジングした形で職場に登場してきているのが今日の状況といえる。
 ワープロやパソコンを使って、本の編集が始まったのが1982年のことである。DTPという言葉が流行し始めたのは86年ごろである。
 ワードプロセッサ(日本語文章作成装置)は、文書作成装置、入力装置、表示装置、記憶装置、印刷装置などから構成されており、入力・編集・保存・印刷の四つの機能を持っています。パソコンを利用する電子編集も基本的な特徴は同じといえる。


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