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◎ 今月のプログラム

出版学研究ノート

日本におけるマスメディアの現状(4)
インターネット

出版メディアパル編集長 下村昭夫

第4回

 「新聞」「放送」「出版」に続き、今月号では、「インターネット」の現状と課題を考えてみよう

1.マスメディアとインターネット

 「いつでも、どこでも、だれでも」が高度な情報システムが使うことができるユビキタス社会を目指すためU-Japan計画が進行中である。
 ユビキタス社会の基盤となるインターネットは、ブロードバンド化とモバイル化がよりいっそう進み、図13に見るように利用者数の伸びと高い世帯普及率を示している。2005年3月現在、日本のインターネットの利用者数は、8529万人となり、人口普及率で66.8%に達している。
 端末の利用形態別に見ると、パソコンと携帯電話の両方の利用者が最も多く、推計で4862万人(57.0%)、携帯電話のみの利用者数は1921万人(22.5%)、パソコンのみの利用者は1585万人(18.6%)となっている。

 また、マスメディアとインターネットの融合の時代を迎えており、その影響は大きい。また、双方方向性を持つインターネットは、情報の受け手であると同時に情報の送り手でもある点で、既存のメスメディアと大きく性格が異なっている。
 2005年末で、ブロードバンド回線の契約数は、2330万件に到達し、その内わけは、デジタル加入者回線(DSL)が1452万件、高速光回線(FTTH)が546万件、無線回線(FWA)が2万件となっている。
 一方、携帯電話など移動端末を利用するモバイル・ユーザーの数は、6923万人を超え、パソコンによるユーザー数6601万人を超えたと見られる。公衆無線LANの普及率は、6.2%であるが、今後、空港・駅・ホテルなどの公共空間での安価な高速モバイル・サービスを提供するシステムとして期待されている。

2. インターネットの利用状況

 図14は、インターネットの利用状況である(出所:総務省2005年「通信利用動向調査報告」)。毎日少なくとも一日1回利用者する人は、パソコンで43.9%、携帯電話で55.3%に及んでいる。

 法人によるインターネットの導入状況は、2005年で企業の97.6%、事業所の85.7%が導入済みとなっており、利用回線は、デジタル加入者回線(DSL)が29.2%、高速光回線(FTTH)が50.2%となっている。企業におけるオープン・ネットワーク化の進行とともに高速光回線(FTTH)が急速に普及している。
 また、2005年1月時点での一人当たりのインターネットの利用時間は34分7秒、一人当たりの閲覧ページは65.5ページ・ビュー、一人当たりの利用頻度は28回となっている(出所:2006年「情報通信白書」、Nielsen NetRatings家庭からのアクセスより)。
 安価な定額料金システムの普及とブロードバンド化により、音楽・テレビ・動画などの大容量のサービスが可能になり、インターネットは多様なサービスで他のマスメディアとの競合している。また、ゲームやインターネット出版などWeb上のコンテンツの利用も拡大してきている。しかし、インターネットで提供される情報は無料が多く、課金システムの問題や急増するネット犯罪など社会的問題点も多い。

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© Shimomura Teruo