4.2 著作権の基礎知識 2
Q: | 著作権法では、「引用」など、自由利用が認められていますが、著作権の制限と「公正な利用法」について、お教えください。 |
A: | 著作権法では、他人の著作物を無断使用する事を禁止していますが、次のような場合、「自由利用」認められています。 一.無断使用不可の原則 *他人の著作物を利用するには、原則として「著作権者の許諾」が必要(無断使用不可)であり、その許諾の範囲内での利用でなければならない(63条)。 * 又、「著作者人格権を尊重」」しなければならない。(18条〜20条) 二.許諾の要らない著作物等の利用 *保護期間を経過した著作物(13条);原則50年 *権利の対象とならない著作物(13条) *法の適用外の著作物(3条) *非著作物(10条など);単なる表現物(オリンピックマーク、自然科学の法則) 三.著作物の制限規定による著作物の自由利用 *私的複製(30条);個人的または家庭内利用 (私的録音補償金制度の創設) *図書館複製(31条);公共図書館、大学図書館;調査、研究、営利目的不可 *引用(32条);公表された著作物は、引用して利用することができる *教科書への複製(33条)、学校教育番組の放送(34条);法定許諾(補償金) *学校などでの複製(35条);公教育での教育目的;予備校などは含まず。 *試験問題としての複製(36条);秘密性;予備校などの営利目的は含まず。 *点字による複製(37条);福祉目的;点字図書館などでの録音(盲人向け貸出) *非営利目的での上演、演奏(38条);料金徴収なし、実演家の報酬なし。 *時事問題に関する論説の転載(39条);無署名の論説、禁転載の表示なしの時。 *政治上の演説等の利用(40条);公開された演説、裁判所での陳述 *時事の事件の報道のための利用(41条);報道の目的上正当な範囲内 *裁判手続等における複製(42条);必要認められる限度内 *美術の著作物の所有者による展示(45条);公開場所での恒常的設置は許諾必要 *公開の美術の著作物等の利用(46条);彫刻の増製、建築物の複製などは不可 *展覧会のカタログ等への掲載(47条);一般的なカタログは自由 *プログラムの著作物の複製物の所有者による複製(47条の2);必要の範囲内 *ただし、複数の電子計算機で使用するためのプログラムの複製は不可 四.引用の具体的な条件と上手な表示法(32条) *引用は「公正な慣行に合致するもの」であること。 *引用は報道、批評、研究など「引用の目的上正当な範囲」でなければならない。 *引用は「無断使用」でなく「適法引用」でなければならない。 *引用目的上の条件;「主と従」の関係;量的な関係でなく適正なこと。 *引用の慣行上の条件;本文との明瞭な区別、原文のまま(著作者人格権の尊重) *引用の出所明示(48条);引用箇所ごと、著作者名、題号、引用ページ、版元名 *引用できる著作物;公表された著作物(32条);私信、未公開日記は要注意 *美術、写真の著作物の特殊性;鑑賞目的での引用は不可;表紙、扉など |
©1998年 Shimomura