本作りこれだけはQ&A 出版技術講座


1.4  カラー製版の基礎知識

Q:製版の指定用語やカラーの校正用語には、どんなものがあるのでしょうか?
A:文字に関するJISの校正用語は定められていますが、製版やカラー校正のための用語は今のところ定められていません。基本的には、製版の指定はYMCK四色のアミの濃度を変えることで、すべての色を再現しています。 文字の「のせ、白抜き、焼き込み」などに注意。
カラーの校正も共通用語が無いため、色の濃度を変えることと、色相(人間の目に感じる色具合)を変えることで指定されます。

◎ 分かりやすい指定用語
「やや濃く」 「やや薄く」 「もっと明るく」「少し暗く」 「あざやかに」 「くすみをとる」「ムラをとる」 「汚れを取る」 「コントラストを強く」 「コントラストを弱く」 「シャドゥ部分を明るく」「シャドゥ部分を暗く」 「傷を修正」 「調子をやわらかく」「ハイライトを強調」 「ハレーションを押さえる」「○色押さえる」
<例>人物の顔:「肌色を明るく」「健康色に」などと、どんな感じに仕上げるかを製版現場に伝える。

◎ 分かりにくい指定用語
「都会的な色に」 「ムードを出す」 「ダイナッミクに」 「サイケ調に」 「落ち着いた色に」「さわやかに」 「わかわかしく」 :人によって基準の違う言葉を避けること。
Q:Macを使ったDTPで編集していますが、カラー製版で、注意することはありますか?
A:版下から製版しても、DTPでフィルム出ししてもカラー印刷の原理は、同じ事です。
Macのディスプレー上では、RGBで色の再現が行われますが、フィルム出力用のイメージセッタにはYMCKに置き換えられた情報が送られ、四版に出力されます。
* カラーのフィルム出力の解像度は、2400〜3600dpi

◎ 解像度と線数の関係
 ディスプレー上の色管理は、RGBの混合比(光の強さ)で調整され、ピクセルと呼ばれる点で表わされ、ピクセル数が多いもの程、解像度は高くなり、一般に解像度は1インチにどれくらいの点が打てるかというdpi(ドット・パー・インチ)で表わされます。
一方、印刷の色管理は、YMCKの網点(スクリーン)の大きさで調整され、1インチあたり何本の線が引けるかという線数(スクリーン線数)で表わされます。
スキャナー解像度とフィルムの線数の関係は、線数の約2倍の解像度が必要とされています。
<例>カラー印刷:通常175線(350dpiに相当)、モノクロ印刷:通常133線(270dpiに相当)
Q:色校正と本刷りとで、カラーの感じがかなり違うのは、なぜでしようか?
A:「色校正は原稿に忠実に、本刷りは色校正に忠実に」をモットウに印刷現場では、色の品質管理に努めていますが、完全な方法はありません。
なお、色校正は、必ず、本刷りと同じ紙質のもので、出校してもらうことや、理想的には、標準光源の下で、色校正をみることも大切です(標準光源の完備されてない場合、北側の窓の自然光源で見ること)。


©1998年 Shimomura