本作りこれだけはQ&A 出版技術講座


1.1  本の作り方の基礎知識 1

Q:本の版面の「マージン」や「クレジット」の意味を教えてください。
A:マージンは、余白のこと。 クレジットは、一般に「新聞や外電記事の冒頭に記す通信社名」(たとえば、ロイター発など)をいう。ここでは、本の扉裏等に記す原著作者や翻訳者などの名前を書く行のこと。
Q:見出しの文字数によるアキの指定は、どこにするのでしょうか?
A:指定は、基本的には、すべて原稿に赤字で指定します。別途、組み版指定用紙やレイアウト用紙に一括指定することもあります。
Q:見出しの文字数が少ないときの指定で、基本版面からのアキは変えないとのことですが、どうしてですか?
A:指定は、一貫性が重要です。雑誌などの指定と違い、本全体を通して一つのルールを貫くことが大切です。いわば、本づくりの美学と思ってください。
Q:一文字だけ余る。一行だけ余る。そんな時の望ましい詰め方は?
A:文脈などに影響しない程度に文章を調整する。または、「追い込み」「ツメ打ち」などの方法がある。組み全体との関わりでケースケースです。 表現方法そのものが作品に影響する小説・詩などの場合は、要注意(基本的には不可)。
Q:文字の指定はポイントで指定していましたが、級数指定でないとダメなのでしょうか?
A:基本的には、同じ事です。たとえば、「本文9ポ、行間6ポ」という指定を例にしますと、「15ポ*0.3514mm=5.271mm」は、「5.271mm/0.25mm=21.084歯」 ということになります。したがって、「13級21歯送り」が、一番近い指定になります。
*(1ポ=0.3514mm)(1級=一歯=0.25mm)(9ポ=3.1626mm=12.65級)
Q:書籍では、ノンブルを基準に刷り位置を決めるということでしたが、雑誌の口絵など、ノンブルのないページでは、何を基準にしているのですか?
A:口絵なども基本的には、基本版面を基準にレイアウトされています。実際の面付けでは、中央トンボや立ち落としトンボで面付け位置が決められます。
Q:組み見本は、何の目的で作られるのですか?
A:基本版面を定め、組み体裁を確定する基本的な作業です。


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